リサーチ・クエスチョンについての覚書
© 木原活信(同志社大学)
1.テーマ設定と問題意識
研究とは、何らかの問題を解明する営みにほかならない。問題とはすなわち疑問である。とすると、研究テーマは一つの疑問文に還元することができるはずである。タイトルが必ずしも疑問文の形式を取っている必要はないが、テーマは何かと聞かれたら、「〜?」というふうにも答えることできるはずである。
研究の結論とはこのような疑問への解答であり、疑問がはっきりしない研究では、明確な結論の出しようもない。
例えば「最も効果的なソーシャルワークの対人援助法とはどのようなものか?」という疑問は多くの人が抱く疑問であろうが、一つの研究でこの疑問に答えが出せるはずはないであろう。限られた条件の中で答えが出せる疑問は、おのずと限定されるはずである。
2.リサーチ・クエスチョン(研究課題に対するより具体的な問い)
大抵の場合、研究テーマ(=メインの疑問)に答えるためには、より細かく具体的な疑問に答えて行くことが必要になる。これらの具体的な疑問に答えて行けば、最後は研究テーマ(=メインの疑問)に対する答えが自ずと導き出される。
リサーチ・クエスチョンは、先行研究を参考にしつつ、研究方法を勘案しながら設定して行く。リサーチ・クエスチョンがしっかりしていれば、研究方法も明確になる。
リサーチ・クエスチョンの例
(1)〜の実態はどうか?
(2)○○の原因としてどのような要因が考えられるか?
(3)これらの要因のうち、〜によってもたらされているものはどれか?
(4)この要因を取り除くにはどのようにしたらよいか?
自分が出した問いは、すでに図書館(先行文献)のなかで答えがあるかもしれない。
1)「木原先生の庭にはどんな亀が生活し、どんな花が植えられているか?」
研究として意義を見出しにくい。研究する価値がない。社会福祉学として位置づけられない。
2)「日本では老人ホームに入れない高齢者がいるか?」
自明性の問題。
3)「児童虐待は、貧困問題と関連があるのか?」
問い自体は良いが、オリジナリティの問題 先行研究との関連
4)「人間とは何か?」
ライフワークと関係
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