論文の書き方に関する覚書
©木原活信(同志社大学)
1.全体の作成
序論 本論 結論
「起承転結」って言うけど本当か? これはもともと漢文や文学のスタイルでは? 「転」? 論文はもっと結論をシンプルに明確に記載すべきである。
2.章立て
基本的に 「序論、本論、結論」の構造からなるが、「本論」が事実上の本文となる
表紙
タイトル、氏名、梗概(要約文章) もくじ キーワード4,5ぐらい
序論(はじめに)
* ⇒ 全体の輪郭がわかる(設計図)
着想の原点、問題意識を鮮明に書く ⇒ リサーチクエスチョン活用
先行研究を批判的に検討する
本論
1章
2章
3章
(4章)
章ごとに節を3,4節設ける さらに項目を(1)(2)・・・があってもいい
調査論文(量的、質的)、文献中心かによって本論の書き方が異なる
各章が串についた団子のようにつながっていること
結論
序論であげた問題意識に対する自分自身の解答を短くてもよいので必ず明示する。
自分の研究が関連学会、or社会(実践)へ寄与するところ、貢献点について明示する
残された課題(単に、論文の限界だけでなく、今後の研究の課題を明示する)を書く
参考文献、引用文献
注付けは日本社会福祉学会方式に従うこと
あとがき(謝辞)
謝辞を書くのは自由だが、本文中には書かない。ここは自由に何書いてもいい。
3.論文における文章表現
簡潔明瞭 「である」調
修飾語をあまり多投しない。
結論(主張)を先に記し ⇒ なぜなら・・とその理由を書く形式のほうが読みやすい
必ず根拠を意識して書く
参考、引用を明示 ⇒他者の著作権を侵害しないとともに
常に誰か具体的反論者を意識して、それに反論をしていくようなイメージの文章
4.参照、注のつけ方
文献中、資料中のアイデアの全体、一部を参照したときは必ずそれを記す。
引用は、必ず「・・・・・」(○○, 2014:14)と記す。
例)19世紀の児童労働は、深刻な社会問題であるが、新島太郎は、「先進国では21世紀には解決をみた」(新島,2009:21)と主張するが果たしてそれは事実であろうか。新島の見解は、あくまで近代のイギリスの労働史という限定的な資料をもとに解釈しており、普遍性はない・・・・筆者は、フランスの児童文学に見られる・・・の資料から・・・次のような観点で再解釈を試みた。それは・・・
普段の発表、ノート作成の時点で、引用文を正確に記載し、出典を記録する癖をつける。
ネットからの参照、引用も基本は、上記と同じ。ただし、サイト引用の日時を明記すること。
木原活信公式サイト https://velvet-kihara.ssl-lolipop.jp/ (2014.7.14参照)
「孫引き」禁止
5.その他
1)構想、計画書(設計図)を常に意識するが、それでもどうしても、なかなか書けない(エンジンがかからない、スランプ)ときどうするか?
⇒ とにかく書いてみる! 書きやすい章から
2)校正作業 校正は、ストーリーを読まない。後ろから読む人もあり。
必ず、他人に読んで貰う
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